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映像情報関連のサービス企業である富士フイルムイメージング株式会社では、グループ会社との合併・事業統合に伴い、社内ネットワークの移設や新規構築の課題に直面した。既存ネットワークを止めることなく、スムーズな統合を行なうためには、何が必要なのか。移転に伴うネットワークの再構築、そのプロジェクトを追った。
*2005年12月時点の情報です。
2004年10月1日、「富士写真フイルム(株)」の国内イメージング事業(営業部門)と「富士写真光機(株)」のフイルムカメラ国内営業機能と「(株)フジカラーイメージングサービス」、「富士フイルムアクシア(株)」の統合により誕生した。「お客様の高い満足度」を得ることを最大の目標として、写真・映像・情報・記録に関わるハードウエア・ソフトウエア・サービスを総合的に取り扱う。製品の質の高さとサービスの充実ぶりには定評がある。



富士フイルムイメージング株式会社は、富士写真フイルムのグループ企業として、映像情報関連のハード、ソフト、サービスを総合的に扱う企業だ。同社は、同じく富士写真フイルムのグループ企業4社が合併・統合して、2004年10月1日に設立された。これは国内営業機能の統合・強化を目指して行なわれたもので、全国にある支社・営業所も統合された。
この動きにともない、本社の移転プロジェクトがスタートしたのは2004年6月のこと。10月の新会社設立、12月の本社移転まで、残された期間は短いものだった。約20名(後に30名ほどに増員された)の担当者が一同に介して行なう移転プロジェクト推進チームの会合は、次々に表面化する難題に取り組んでいくことになる。とりまとめ役の一人として活躍した総務・法務グループマネージャーの久城氏は、次のように振り返る。「それまでの業務環境が異なっていたこともあり、さまざまな問題が発生しました。一つ一つの課題を整理し、全員が共通の認識を持てるようにし、各部門がスムーズに業務を遂行できるよう調整していくことは難しかったですね。」
これらの課題の中でも重要性が高かったのが、既存ネットワークからのスムーズな移行と新規ネットワークの構築だ。IT化の進行にあわせるように、旧4社も業務のネットワーク化を進めてきた。新しいネットワークを構築したことで、ネットワーク環境が大きく変わるようだと、業務に支障が出る。そこで、既存ネットワークと整合性を持たせた上で、新会社全体の核となるようなネットワークの再構築が最重要課題であった。
新しいネットワークの検討作業は、移転プロジェクトがスタートした2004年6月から始められた。まずネットワーク全体の構成を決め、新しい本社の基幹ネットワークを検討した上で、全国に広がる支社・営業所の統合方法を考えたという。このときにもっとも重点を置いて考慮したのは、前述した継続性・整合性だった。ネットワークなどのインフラ部門の担当者である企画グループチーフの田原氏は言う。「まず最初に行なったのは、各社がネットワークをどのように活用しているか、その実態を知ることでした。こうして全体像をつかむことで、新しいネットワークに必要な要件を整理していったのです。旧4社は、それぞれ業務内容が異なり、それに合わせたインフラの整備がなされていました。その違いを一つずつ確認し、どんな形ならスムーズに移行できるかに重点を置いたのです。」
このような段階を経て、本社、支社・営業所を統合するネットワークの全体構成が決まった。新しい本社となる東京・虎ノ門には、Nortel Networks社の「Ethernet Switchシリーズ(ESシリーズ)」と「Ethernet Routing Switchシリーズ(ERSシリーズ)」を中心にしたネットワークが導入されることになった。
ネットワーク全体の構成が決まったところで、まず支社・営業所の移転作業が行なわれた。2004年7~8月にかけて行なわれた作業では、さまざまな課題が現れたという。「実際に作業を進めてみると、事前には見逃していたような細かい問題がいろいろ出てきました。それぞれに対応して問題を解決し、業務を軌道に乗せるのは、なかなか大変でしたね」と、田原氏は言う。ただ、ここで多くの問題点を見ておいたことが、後の本社移転時にはノウハウとなって役立ったとも語る。
支社・営業所の移転作業が終わり、いよいよ本社の統合・移転作業が本格化した。ここで問題になったのが移転時期だ。新たな本社となる東京・虎ノ門への移転作業は、2004年12月に予定されていた。実は、この時期は同社にとっての繁忙期。年末商戦の渦中に「神経網」であるネットワークの移転を行なうのだから、作業には慎重さが要求されたという。久城氏は「何ヶ月も前から、フロアのレイアウトを検討したり、どのように配線を行なうかを検討したり……最後の最後まで調整作業に気が抜けない日々でした」という。
実際のネットワーク構築作業は、数度に分けて行なわれた。11月末にフロア内の基幹配線を、12月第一週に導入工事を、そして年末になってから移転作業を、という段取りだ。意外なことに、移転作業は非常にスムーズに進行したという。荷物の授受や、社員の使うPCの設定など、細かい点での問題は発生したが、全体としては事前に想定していた通りの進行ができたのだ。「ネットワークに関して言えば、事前の準備が功を奏しました。10月にはサーバールームのレイアウトが決まるなど、早くからカギとなる部分が確定できたのは大きかったと思います。また、支社・営業所の統合・移転作業で培ったノウハウを活かせたこともスムーズな移転を実現できた理由の一つだと思います(田原氏)」。通常業務を行ないながら、4社の統合・移転という大きなプロジェクトは成功し、新しいネットワークが稼働を始めた。
「選択と集中」が言われる中、合併などによる事業統合とそれに伴なう事業所の移転や統合を計画する企業は多い。その際に問題となるのがネットワークの構築だ。富士ゼロックスの技術力と富士ゼロックスオフィスサプライの移転プロジェクトマネジメントが今後も同社のネットワークのバックボーンを支えていく。

いまや、ネットワークは企業の「神経網」で、一時たりとも止められない。今回のネットワーク構築で富士フイルムイメージング株式会社が重点においたのも継続性だった。スムーズな移転作業を考えている企業には、同社のネットワークへの取り組みが大変参考になるだろう。
| 販売代理店 | 富士ゼロックス株式会社 |
|---|---|
| 開発元 | ノーテルネットワークス株式会社 |
| 関連製品 | Nortel Ethernet Switch Series |